|
博士 よし、海老太郎くん。今日は背景美術用語を勉強しよう。
海老 はい、博士。いっぱい言葉を覚えて、来週のクラス対抗しりとり大会に出たいと思います。
博士 しりとり大会……。まあいい。じやあ、早速最初の言葉、「ナメモノ」を教えよう。
海老 はいはい、知ってまーす。
海老 昨日の晩御飯、うちは白菜だけの“なべもの”でした。
博士 海老太郎くん、それは鍋物じゃ。しかし、白菜だけとは。
ナメモノ
カメラの前の遮蔽物として置かれる背景。キャラクターはその向こうに見える。
博士……ということなんじゃぞ。では、気を取り直して次だ。
海老 「戦闘空」を教えよう。
海老 それも知ってまーす。うちにはお風呂がないので、昨日も今日も銭湯ずら(東北弁)。
博士 苦しすぎるぞ、海老太郎くん。
戦闘空(せんとうぞら)
戦闘シーン用の曇った空。昔のロボットアニメでは戦闘シーンになると空が曇り、ムードを盛り上げることに一役買っていた。
博士 昔のウルトラマンや特撮の時によく使われた背景じゃ。戦闘シーンになるといきなり曇る。「一天にわかにかき曇り」というやつじゃな。分かるかのう?
海老 やったね父ちゃん、今日はビフテキだ……。むにゃむにゃ……。
博士 いい夢を見ているようじゃの。これ、海老太郎くん。そろそろ起きなさい。次の言葉は「マルチ」じゃ。
海老 もうそのことは言わないでくれよ。父ちゃんだって十分反省してるんだ。そんなうまい話には引っかからないってさ。
稚士 そういう商法のことじゃなくて……。
マルチ
多段層。何枚も背景を重ねて撮影するときの技法。森の中を進んでいく情景で、木が近づいてきては遠ざかっていくようなときに使う。
博士 じゃあ、続々行くぞ。「兼用」という言菓もあるんじゃ。
海老 それは知ってるよ、博士。靴下を家族で兼用するとか、トイレットペーパーをティッシュペーパーとして兼用するとか。そういう言葉でしょ。
博士 確かに意味はあっておるが、その喩えは…。
兼用
同じような部分の絵をくっつけて、1枚で数カット分の絵を描くこと。こうすることによって、同様の背景を何枚も描くことがなくなる。
博士 まあ、簡単にいえば背景を兼用するということじゃな。次は、「ハーモニー」じゃ。
海老 ハーモニーでハーモニカっていうわけにもいかないし。これはちょっとボケにくいなぁ。
博士 今までボケてたんかい!
ハーモニー
セルには線だけが描かれ、着色は背景で行うこと。さびた感じを出すときなど、セル着色とは違うタッチの効果を狙うときにも使われる。紙に色だけを乗せる紙ハーモニーと、セルの裏から描くものとがある。
博士 余談じゃがのう、『あしたのジョー』と聞けばイメージする渋い決めカット、あれがハーモニーだそうじゃ。さて、次は「BGオンリー」じゃ。
BGオンリー
BGとはバックグラウンド、つまり「背景」のこと。BGオンリーとは、背景だけでキャラクターがいない状態。
博士 こんなところかのう。どうだい、勉強になったかな?
海老 なるほど、よく分かったよ。これでしりとり大会もばっちりだ!!
博士 ……。
 |
博士:海老太郎くん、見てごらん。様々な道貝が並んだスタッフの机じゃ。基本の塗料はポスターカラーじゃが、カラーインクや水彩・アクリル絵の具を使うこともあるぞ。
|
|